あなたは、皮膚科で教わった通りにきちんとステロイド剤を塗る事ができていますか? また、ステロイドを塗っていて、こんな風に感じたことはありませんか?
- いつものステロイドが効かなくなった気がする
- ステロイドを塗り始めたら、皮膚の他の所にも炎症が出てきてしまったように感じる
- 毎朝毎晩塗っているけど、1回でも塗るのをやめるとすぐに再発してしまう
こんなときは、あなたのステロイドの塗り方が間違っている可能性「大」です。
ここtでは、ステロイドや保湿剤を塗るときに必ずおさえておきたい正しい塗り方をご紹介します。
皮膚科で塗り方を教わったことがない方が間違えがちな【誤った塗り方の例】などもあわせてご紹介しますので、参考にしていただけたら嬉しいです!
まず大前提のおさらいから
ご存じの人は飛ばして下さいね♪
大前提①塗る時は力を抜いて
アトピーの人は肌がとても弱くもろくなっていますよね。
お風呂上がりは特にかゆいので、保湿剤を塗る手にもチカラが入ってしまいがちですが、とにかく強くこすらずに、手のひらにべったりと伸ばして、軽くおさえるようになじませること。
とにかく肌をこすらない。これが一番大事です。
大前提②炎症箇所の判断
炎症の定義ですが、カサカサしているところや、皮膚が厚くなっているところはすでに炎症です。
乾燥ではありません。
(↑ここの考え方が非常に重要で、間違えている人が多いそうです。by皮膚科医)
ヒルドイドの製造販売をしている「マルホ株式外社」HPではこんな風に説明がされています。
ちなみに、こんな感じが中等度のアトピーとされています。
ちなみに、これで言うと、私のアトピーは、全身は【中等症】で、一番ひどかった手〜首は【重症】でした。
重度のアトピーはステロイド(アンテベート)を使ってる時だけ調子がよいけれど、1日たりとも薬は止められませんでした。
3要素のトータルケアによってステロイドが自然と減って行き、今は全く不要になりましたけど、この頃はやることなすことダメでした。
大前提③薬の容器を工夫
薬の容器の形状も結構大事だったりします。
皮膚科では、チューブタイプが処方されるのが一般的ですが、ぜひジャータイプにしてみてくださいね。
↓ジャータイプというのは、コレ。「小分けケース」とかと100均では呼ばれたりしています。
左の緑のジャーは、うちの子が昔処方されたステロイドと保湿剤の混合薬。
右側はヒルドイドの100g入りのジャーです。薬局では「壷(つぼ)」と呼ばれたりも。(古い・・^^;
保湿剤は全身に塗る必要があるから、チューブタイプだといちいち押し出さないといけないので面倒ですよね。
↓こんなふうに。
両手でいちいち出してると、いつのまにやら手がベタベタになりますし、25gのチューブは減るのが早くて不便!
でも、ジャーなら指を突っ込んでクリームたっぷり取り放題。
ちなみに、100gのヒルドイドクリームは、薬局に在庫があれば薬局の方で対応していただけます。
処方箋が100g以上の時のみなので、病院で100g単位で出して貰えないか確認するのがベター。
私の子供が使っていた頃は、1ヶ月分(300g)の処方のうち・・・
●200g分をジャー2個(100gx2個)
●100gをチューブ4本(25gx4本)
=合計300g
という処方にしてもらっていました。
大前提④塗る順番
塗る順番は、ステロイド剤→保湿剤の順番です。
たまに逆の塗り方を指導する皮膚科医がいらっしゃったり、「塗る範囲が広い方から(つまり保湿剤→ステロイド剤)」とマルホ株式会社も言っていて、それは間違いではないです。
間違いではない・・ですが、
これは前項でご紹介した写真の「アトピー軽症以下」の人の場合です。軽症にもなれば、ステロイドによる副作用も少なくなって来て、保湿剤にかぶれにくい位肌の強さは回復しているはずなので。
いっぽう、「アトピー中等症、重症」の場合は、湿疹に保湿剤を塗る事自体を避けるべきです。つまり中等症〜重症なら湿疹にはステロイドを塗るのみ。
ちなみに、湿疹の範囲が広いと「ステロイド剤と保湿剤の混合薬」が処方されることがありますが、その場合は混合薬のみでOKです。
大前提⑤ステロイド治療初期:炎症が酷い時は保湿剤は不要
ここで大事なのは、ステロイド治療を始めたばかりの「中等症、重症の炎症部分」には、ステロイドだけを塗り、保湿剤を使わないようにすること。
じゅくじゅくが酷い患部には、保湿剤は絶対使わないようにします。
腕の良い皮膚科医では「亜鉛華軟膏」や「サトウザルベ」を処方してくれますが、これは保湿剤ではなく水分を吸収してくれる薬なので使用可能です。酸化亜鉛
繰り返しますが、湿疹が酷い場所にヒルドイドなどの保湿剤を塗ると、最悪の場合アレルギーになります。
湿疹のある患部に馬油や重めのオーガニッククリームを塗って、ますますかぶれてジュクジュクしてしまうケースなんか最低です。(経験済み)
異変を感じてすぐに使用を中断すればよいのですが、変に諦めないでせっせと塗り込んでいくと、保湿剤の成分自体にアレルギーになり、アトピーが良くなったとしても、一生使えなくなります。
これが「経皮感作」です。
ちなみに、かぶれてしまったクリームはすぐに使用を中断すれば一時的な皮膚炎だけで済みます。アトピーが良くなった後の健康な皮膚でならまた再開する事ができます。
大前提、長すぎ・・・!ごめんなさい!
お薬の塗り方が正しくなったら、毎日のお薬タイムがぐっと楽になり、そして次のステップである「ステロイドの減薬フェーズ」へ進むのも間近ですよ!
ステロイドは塗りたくないのは、理解できます。私もお薬は大嫌いです。ですが、今は辛抱の時です。
とにかく、出ている炎症を鎮めることにだけポイントを置いて、ステロイドを塗ってください。
それでは、まずはステロイドの塗り方からご説明していきます。
ステロイド剤の塗り方のご説明
ここではステロイド剤の正しい塗り方をご説明します。アトピーになりたての?ステロイド初心者さんは要チェック。
ステロイド薬って、意外と塗り方にコツがあって、それが湿疹の改善スピードに大きく影響してくるのですが…
正しい塗り方を指導してくれない皮膚科が多いことがなぜか多いと感じています。
(皮膚科・小児科は15件以上受診してますが、どこも適当!)
また、昨今のアンチステロイドによって、意味も分からないままステロイド治療に拒絶反応が出てしまう方も少なからずいると思います。不信感から、医者の指導を守らず、間違った塗り方でせっせと治療している方がいらっしゃるかもしれません。
ステロイドは正しく使用すれば、【アトピー治療】を強力にサポートしてくれる、強い味方となります。
ぜひ、今日から正しい塗り方を実践してみてくださいね。(^^)
まず、正しいステロイド剤の塗り方をキャプチャーしたものをご覧ください。
それでは、具体的な説明です。まずは悪い例から。
ステロイドのダメな塗り方「薄く塗り込む」
「指先に少し取り、炎症部分に薄く塗り込む」
ダメポイント①:
上記の写真のように、薄く塗るだけだと、ボコボコ・ザラザラした炎症の表面すべてには行き渡りません。
薬が行き渡らなかった場所は、当然炎症が酷くなります。
図の赤い部分が炎症の箇所で、そこには薬が塗られていないのが分かりますよね?
「ステロイドを塗っているのに悪化している」ように見えるのはこのため。
ダメポイント②:
炎症部分にだけ塗るのもNG。赤い部分の周囲にも火種はくすぶっています。
「ステロイドのせいで炎症が広がった」ように見えるのはこのため。
ダメポイント③:
塗込むのも絶対NG。こすると刺激になり、ますます痒くなります。
「ステロイドにかぶれた」ように感じるのはこのため。
ステロイド剤の効果的な塗り方「たっぷりのせる」
「指先に厚めに取り、炎症部分の周囲にも広めに塗る」
良いポイント①:
厚めに薬を取り、トントンと置くように塗ります。
ガサガサにめくれていたり、ボコボコした皮膚にも行き渡ります。
肌とこすれにくくなるので、刺激にもなりにくいです。
良いポイント②:
湿疹と湿疹の間の、健康そうに見える皮膚にも広めに塗ります。
広め・厚めにたっぷりと塗る事で、この先に炎症が起きそうな怪しい部分が酷くなる前に予防ができるのもポイントです。
副作用が心配ですが、健康な皮膚にはあまり関係がないそうです。(by皮膚科医)
とにかくこすらないことが大事です。
ヒルドイドの製薬会社である「マルホ」のHPにも、詳しい内容が掲載されていますので、よろしければどうぞ。
参考: 外用薬の使い方 - maruho
保湿剤の塗り方 (例)ヒルドイドクリーム
保湿剤も色々ありますが、ここでは皮膚科で処方される頻度の高い保湿剤の「ヒルドイド」を用いてご説明します。
私は現在、子供にはヒルドイドソフトとヒルドイドローションを使用しています。(現在はステロイドなしで保湿剤のみ)
ヒルドイドのみを、顔から足の先までべったりと塗ることができます。
目の周りは避け、まぶたや目の内側には入れないようにしてください。目の周りまで塗る場合はプロペトが推奨です。
ヒルドイドはどこの皮膚科でも第一選択肢なので、使っている方も多いと思います。あとは、皮膚科で出されるのはヒルドイドローション、ビーソフテンのようなローションタイプ、ザーネなどのクリームタイプでしょうか。
ローションでもオイルでも気をつけるポイントは一緒です。使いやすいものを選んでくださいね。(^^)
ではまずダメな塗り方から。
保湿剤のダメな塗り方「指先で塗る」
「指先に取り、指先で広げる。」
ダメポイント①:
指先には力が入りやすいです。
力が入ると肌をこすりやすいのでダメ!
ダメポイント②:
指先は面積が狭いので、塗れる範囲が狭くなり、往復する回数が増えてこすりやすくなる。
保湿剤の効果的な塗り方「やさしく押し付ける」
「指先に取ったクリームを手のひらに厚めに広げ、やさしくハンドプッシュ。」
良いポイント①:
ゴシゴシこすらないので肌にやさしいです。とにかくこすらない、こすらない。
良いポイント②:
ハンドプッシュは肌が温まり、血行が良くなり修復が速くなります。
皮膚のこわばり・引きつりも解消され、温めることで保湿成分が浸透していきやすいこともメリット。
良いポイント③:
広範囲に一気に塗れるので、手早く済ませる事が出来ます。
手のひらはベトつきますが、患部へのストレスは最小限にできます。
とっても簡単でしょ?
シンプルな塗り方ですが、指先でグイグイやるのと、手のひらで温めるのとでは・・・
それだけで全然お肌へのダメージが変わりますよね。
皮膚が厚くなってしまっている時やお風呂上がりにムズムズしている時は、ハンドプッシュするだけで心が落ち着きますよ。
ぜひ、お試しあれ。(^^)
ステロイド&保湿剤の塗り方のまとめ
今回はステロイド剤の正しい塗り方をご説明しました。(^^)
正しい方法のみをざっとポイントを振り返っておきましょう。
- 塗る順番:ステロイド剤→保湿剤
- ステロイド:厚め、広め
- 保湿剤:たっぷりハンドプレス
- 注意点:炎症が酷い箇所にはステロイドのみ塗り、保湿剤は塗らない
私はこの塗り方を、何件も皮膚科をまわってようやく信頼できる皮膚科医を見つけて、根ほり葉ほり聞いて教わりました!
あなたも、信頼できる皮膚科医に出会えますように・・・。
それでは、ケアがんばっていきましょう!